タイに留学中の松原大剛さん
自己紹介
熊本県天草市出身。2020年法文学部法経社会学科に入学。
2年次から地域社会コース酒井ゼミに所属。
3年次には地域社会・経済コース合同ゼミ代表者会議の委員長を務め、所属ゼミでの個人チューターや海外体験学習・研修プログラムの共通教育科目タイ研修への参加を経験。学外では鹿児島県国際交流センターでRA(レジデント・アシスタント)として住み込みで働く。
3年次終了後大学を休学し、現在はタイのパヤオ大学に1年間留学中。
地域社会・経済コース合同ゼミ代表者会議での活動
地域社会・経済コース合同ゼミ代表者会議の役割は、主にレクリエーションや教務関係行事の企画・運営です。会議は月に1回あり、委員長と副委員長、書記の役員は事前に議題の整理や当日の司会進行などを担当します。
年間行事の企画・運営においてはゼミ代表者のみならず、先生や法文学部事務局との調整も必要になります。スケジュールを逆算して議題を設定し、限られた時間での会議を充実させることは、計画力のない自分にとって良い機会となりました。
また、地域社会・経済コースの行事や魅力のさらなる共有と見える化を目指して地域社会・経済コースのインスタグラムアカウント(地社経済 コース (@kadai.chishakeizai) • Instagram photos and videos)を開設しました。フォローお願いします!!
鹿児島県国際交流センターでのRA活動
RAへの応募のきっかけは指導教員からの紹介と留学生との交流でした。実は、指導教員からはRAよりも前に募集があった鹿児島大学国際交流会館でのチューター(鹿児島大学国際交流館チューターとして働く吉國未夢生さんを参照)も勧められていたのですが、英語をほとんど話すことができず、仕事をやりきる自信がなく断りました。しかし留学生と交流するうちに、その楽しさと英語を完璧に話せなくても意思疎通ができることを実感し、RAに応募しました。
RA業務は留学生の生活補助と国際交流イベント・研修会への参加の主に2つです。
前者は、国際交流会館のチューター業務と共通する点が多いので上記URLで紹介した吉國さんの記事をご覧ください!吉國さんの記事でもあるように、細かいルールに戸惑う留学生は多く、その理解を得ることがRA業務の大部分を占めていました。ルールを説明する際には、一方的な情報伝達と情報過多による留学生の疲弊やRAと留学生との間の上下関係が起こらないように心がけました。特にパーティや食事会を企画し、共同での準備や片付けを通してルールを理解してもらうことや留学生が不便に思う点を把握し、時にはルールを改善することにも注力しました。国際交流センターはリビングが共有のシェアハウスなので、このような取組が可能となりました。留学生との共同生活を通じて、ムスリムの生活様式や各国の食文化・年間行事などを体験することもできました。
後者は、国際交流センターが留学生と県民との交流を目的とした施設でもあるため、国際交流会館のチューター業務との違いになります。国際交流事業の運営に携わったり、地域の国際交流のキーパーソンやALTと関わったりすることができ、非常に有意義な経験でした。
留学決定までの経緯
長期休暇を利用した海外研修には入学前から参加したいと思っていました。しかし、休学して長期間の留学に行くことは全く考えていませんでした。なぜなら、両親からは4年で卒業し安定した職に就くよう言われていたからです。しかし、長期間の留学に挑戦するゼミ生や日本での学位取得のため自国を離れて研究する留学生の姿に背中を押され、留学を決意しました。
最初は欧米諸国に行ってみたかったのですが、物価が高かったので諦めました。他方、ゼミでの外国人技能実習生へのインタビューやタイ研修を通じて東南アジア諸国への関心が高まりました。そして、法文学部同窓会の研究助成金を活用し、2022年に再びタイを訪れて留学を決心しました。
留学先の大学は鹿児島大学と協定を結んでいませんでしたが、知人の紹介と指導教員・学生係のご支援により聴講生として研究室に受け入れていただきました。大学ではタイにおける移民労働者、とりわけ隣国ミャンマーからの不法(資格外)労働者の受入に関する政策や彼らを対象とするノンフォーマル教育の実態について学びます。そして、留学期間中に調査研究を行い、卒業論文を執筆したいと考えています。そのために、まずはタイ語とミャンマー語でのコミュニケーションに挑戦し、ミャンマー人労働者とその雇用主との関係性構築を目指します。
また、留学中は大学での学びに加え、タイ北部の山岳民族の生活支援を目的とする「ルンアルン(暁)プロジェクト」と「Hill Area and Community Development Foundation(HADF)」という団体でインターンシップに参加します。なぜ山岳民族を対象とする団体でのインターンシップなのかというと、タイ北部のミャンマー人労働者は山岳民族である割合が高い一方、山岳民族の村にもミャンマーから移り住んできた方々が多数存在し、ミャンマー人労働者の生活実態を理解するには必要不可欠だと考えるからです。インターンシップでは、森林保全のための有機農業や民族の伝統文化としての手芸品の奨励、政府機関やその他の組織とのネットワーク形成に取り組みます。
奨学金は、文部科学省主催の「トビタテ!留学JAPAN」に応募しましたが不合格でした。しかし、公益社団法人三州倶楽部の海外研修生事業に採択いただいたので、留学ではその助成金を活用しています。
今後に向けて
これまでの生活を振り返ると、失敗したことよりも失敗を恐れて挑戦しなかったことの方が多かったです。しかし、「できない理由よりどうしたらできるか考える」をモットーとするゼミで、たくさんの挑戦と失敗の機会を得て自信がつきました。新しいことを始めるにあたっての否定的な意見や他の人がやっていないことを実践する不安など、選択肢を阻む要因はたくさんあると思います。その際に周囲の環境を言い訳にして諦めることはとても簡単です。だからこそ、自分でやりたいことを見つけて実践すること自体には大きな意義があると私は信じています。今後も自分のできる範囲で思いっきりやりたいことに挑戦を続けていこうと思っています。