鹿児島ユナイテッドFC応援サークル主将を務める宿利原大樹さん

在校生
2025.12.19

宿利原大樹(やどりはら だいき)
鹿児島県鹿児島市出身
2023年法文学部法経社会学科に入学
現在:鹿児島ユナイテッドFC応援サークル主将、地域社会コース酒井ゼミ7期生

1)KUS(鹿児島ユナイテッドFC応援サークル)サークルに入部した理由

幼稚園時代にサッカーを始めてから高校までずっとサッカーをしていました。
でも中学の時は、人間関係がつらくて部活に行けなくなった時期があったのと、そもそもサッカーが好きではなかったというのがあり、「もう中学で最後にしよう」と思っていました。
そんなときにたまたま鹿児島ユナイテッドFCの試合をはじめて見に行きました。サッカーに対する見方や考え方が変わり、そこからほぼ毎試合観戦に行くようになり高校でもサッカーを続けたいと思えました。
もしあのタイミングで鹿児島ユナイテッドFCに出会っていなかったら、一生サッカーを嫌いなままで今の自分とはまったく違う人生を歩んでいたかもしれません。
大学入学後、KUS(鹿児島ユナイテッドFC応援サークル)の存在を知り、迷わず入部しました。最初は、活動も少なく続けようか迷いながら参加していました。でも、仲間が増え、気が付くと大事な居場所になっていました。
徐々に先輩とのコミュニケーションが増え、趣味仲間がいることは大事だよなという軽い気持ちで入部を続けました。

2)KUSでの活動

3年生になり、気づいたら主将になっていました。主にサークル中心の生活が始まりました。私は、サークルを通して、少しでも多くの学生に鹿児島ユナイテッドFCに興味を持ってもらい、サークルに来てくれるみんなが居場所だと感じてもらえるよう全力で満足させたいという思いと責任を原動力に活動してきました。
総勢40人での合同観戦会、学生招待イベントの企画・運営やサッカースタジアム建設の署名活動、サッカー日本代表森保一監督とのトークイベント(詳細はこちらをご覧ください)、大学祭での模擬店運営、アウェイの試合遠征、フットサルなど様々な活動を行ってきました。すべてが初めての経験で大変でしたが、一緒になって取り組んでくれる仲間のおかげでなんとか楽しくやりきることができました。
今までは、もともとサポーターだった人たちが多く集まったサークルでした。今年度は、先輩たちが行ってきたことを引き継ぎながら、サポーターではない人たちが試合に来てくれるようたくさんの工夫をサークルのみんなで考えて実行しました。その結果、サッカー未経験の子やほかのチームを応援していた子、興味本位で来た子などいろんな人が鹿児島ユナイテッドFCを好きになってくれました。サークルを通してこれを実現できたことにとてもやりがいを感じています。
僕は、鹿児島ユナイテッドFCとこのサークルのみんなが大好きです。それはこの先の人生変わりません。KUSでの活動を通して、自分の中学生活を救い、高校、大学生活を彩ってくれた鹿児島ユナイテッドFCや一緒に頑張ってくれるメンバーに少しは恩返しできていたらうれしいです。

3)酒井ゼミで学んだ「聞く」という姿勢

2年から酒井ゼミに所属し、ケイト・マーフィー『LISTEN―知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP、2021)の輪読や日置市でのフィールドワークを経験しました。日置市では農林水産分野を担当して「月日貝」をテーマに地域に入ったのですが、最初は「あまり知られていないからPRをしよう」と思い込んでいました。実際に漁師さんに話を聞くと、「困っているのは貝殻処理や飼料要求率における優秀性をPRしたい」など、想定していた課題とは全く違う現実がありました。
「自分の想像だけで判断しないこと」「まず当事者の声を聞くこと」これらは現場に入ったからこそ気づけたことです。その後、飼料要求率のPR動画を作ったり、月日貝の再利用の検討をしたりと、学生なりにできることを地域と一緒に考えて動きました。
(活動の詳細は酒井ゼミのinstagramをご覧ください。)また、2025年夏には県民交流センターと共催で、子どもの居場所をテーマにしたワークショップを企画しました(活動の詳細は、こちらをご覧ください。)

4)大学で変わった「失敗」の捉え方

酒井ゼミでの活動はほとんどというよりすべてが学生主体のグループワークを中心として進んでいきます。酒井ゼミは、2年生、3年生、留学生が主体となって活動します。それは、酒井先生が学生の意見を尊重したい、学生が自らで考え実践して多くの失敗を経験するなかで学んでほしいということを大事にしているからだと勝手に思っています。もちろん失敗するのは怖いし、嫌なことです。でも、酒井ゼミでの経験を通して、その認識が変わってきた気がします。失敗することは当たり前で、そのあとどう考え自分の人生に活かしていくかが大事なのだと。失敗に対する認識がポジティブになりました。だから、今の自分は失敗を恐れず目の前のことに全力で取り組みます。このことは、サークルの活動でも大きく影響していると思います。
酒井ゼミは今、日置市の飯牟礼地区にて地域活性化事業に取り組んでいます。これが卒論を除いて、私たち3年生の最後の挑戦です。ゼミで学んだ「LISTEN」の力で住民の声に耳を傾け、飯牟礼地区の課題を正確に把握し、ワークショップや公民館講座で培ったファシリテーションのスキルで住民をつなぎ、飯牟礼地区のみなさんと交流していきたいです。

5)後輩へのメッセージ

ゼミ長やサークル主将を務めている私ですが、高校までを振り返ると、組織の代表になったりした経験は一度もありません。むしろ人前に立つと人の数倍緊張する人間ですし、いろんな人とコミュニケーションをとる人間ではなく、そういう機会を避けてきた人間でした。本当に弱い人間です。そんな自分でも、大学生活を通して、漁師の方、行政の方、公民館の方、鹿児島ユナイテッドFC関係の方、先生、学友、サークル・バイトの仲間などなどたくさんの人と関わりながらたくさんの経験をして成長することができました。大学生活で人は変われます。みなさんのなかにも弱い自分がいるかもしれません。そんな弱さと向き合いながらもいろんなことに挑戦してください。些細なことでも、できないと思うことでも、目の前にチャンスがあれば必ずつかんでください。それが人生を変える大事な一歩になるかもしれません。

おれらまだのびしろしかないわ。

最後まで読んでくれた方ありがとうございました。