学部紹介

法文学部長より

法文学部長 藤内 哲也

鹿児島大学法文学部は、薩摩藩の藩校の名前を受け継ぐ旧制第七高等学校造士館の系譜に連なり、戦後に設置された文理学部を経て、1965(昭和40)年に誕生しました。以来、法学、経済学、人文学の多彩な専門分野を擁する人文社会系総合学部として、高度な専門性と幅広い知識を修得した2万人を超える卒業生を送り出しています。2017(平成29)年度からは、法経社会学科・人文学科のもとに法学コース・地域社会コース・経済コース・多元地域文化コース・心理学コースの5コースを配置して、所属するコースの専門分野について体系的に追究するとともに、人文社会系のさまざまな分野についても総合的に幅広く学ぶことのできるカリキュラムを構築しています。

21世紀も四半世紀に達しようとしている現在、私たちが暮らしている世界では、内戦や国際紛争、深刻化する環境問題や感染症の流行、さらには拡大する一方の経済格差やダイヴァシティ(多様性)をめぐる議論や対立など、依然として解決すべき多くの問題を抱えています。しかも、急速に発展する生成AIによって、新たな価値観や文化が創造される一方、人と人との結びつき、国家や社会のあり方、経済や産業のしくみなどが大きく変容する可能性も指摘されています。

こうした先の見えない混沌とした時代だからこそ、法文学部で学ぶ意義はますます高まっているといえるでしょう。人文社会系の諸分野では、たとえば誰もが公正や正義や平和を享受できる規範やルールであったり、個人や社会の発展や繁栄をもたらす生産や流通のしくみであったり、あるいは個人や社会の活動の結果として形成されてきた文化や芸術であったりと、探究の対象となるのは人間や社会に深く関わる事象です。その人間や社会のあり方が大きく変容しようとしている今、法文学部の伝統的な学問領域における確固たる問題意識に基づき、新しい分野や技術にも対応できる柔軟な思考力や実践力を身につけることが非常に大きな意味を持つのではないでしょうか。みなさんが法文学部で学び、こうした知見や能力を修得されることを心から願っています。

法文学部のあゆみ

1901年3月

第七高等学校造士館設置

1946年3月

第七高等学校と改称

1949年5月

鹿児島大学設置。第七高等学校を母体として文理学部(一般教養部を含む)が開設され、文学科・社会学科・理学科を設置

1965年4月

鹿児島大学法文学部を開設し、法学科・経済学科・文学科設置

1979年4月

大学院法学研究科設置
文学科が人文学科に発展

1986年4月

大学院人文科学研究科設置

1997年4月

法政策学科・経済情報学科・人文学科に発展

1998年4月

大学院人文社会科学研究科設置

2002年4月

大学院人文社会科学研究科地域政策科学専攻(博士後期課程設置)

2004年4月

法科大学院(司法政策研究科)設置(2017年3月廃止。同年4月「司法政策教育研究センター」に改組)

2007年4月

大学院臨床心理学研究科設置
2017年4月

法経社会学科(法学コース・地域社会コース・経済コース)
人文学科(多元地域文化コース・心理学コース)に改組

2022年4月

司法政策教育研究センター法文学部附属組織化

2022年10月

「鹿児島の近現代」教育研究センター設置

 

教育の理念と求める人材

南九州唯一の人文社会科学系総合学部として、法文学部では、総合的な観点から人間と社会を深く理解し、情報化・国際化および地域社会の変化にともなう諸問題に適切に対処できる現実的な課題解決能力を持つ人材の育成を目指します。

そのために、法文学部では以下のような学生を歓迎します。

(1)人文社会科学を学ぶうえで必要となる幅広い基礎学力を備えている人
(2)地域社会と世界の人間・文化・社会に関心を持つ人
(3)現実に即した問題解決能力・言語能力・情報処理能力の習得に意欲のある人
(4)大学で自分の将来および可能性を探求する意欲のある人

特色ある教育

  • すべての学生に開講される法文スタンダード科目

  • 基礎・活用・実践の3つのフェーズに分かれた専門教育の展開

  • 学際的な知識と現場感覚を身につける法文アドヴァンスト科目

  • 学びをさらに飛躍させたい学生のための法文チャレンジ・プログラム

カレンダー

留学

鹿児島大学では、主に、異文化理解と外国語運用能力の研鑽を目的として、世界27か国・地域の95機関(2023年3月1日現在)と大学間での学術交流、さらに、法文学部では、ドイツのミュンヘン大学、中国の内蒙古大学、内蒙古師範大学、上海海事大学、長江大学、海南大学、台湾の曁南国際大学、タンザニアのセント・オーガスティン大学タンザニア、フランスのEMBA-ISUGAとの学部間学術交流を実施し、留学生の受け入れと本学生の派遣を行っています。令和4年度の学生派遣先は、下の表のとおりです。こうした学術交流協定に基づいた留学のほか、語学研修のために海外に赴く学生もいます。

■派遣実績
令和3年度 10名
令和4年度 12名

令和4年度 学生派遣先

国・地域 大学

韓国

全北大学校

釜慶大学校

マレーシア マレーシアプトラ大学

台湾

淡江大学

オーストラリア

シドニー工科大学

スウェーデン

リンシェーピン大学

ドイツ

 

ミュンヘン大学
カール・フォン・オシエツキー大学

トルコ

アンカラ大学
ミュンヘン大学
新法文学部については下記ページもご覧ください。

法文学部附属センター

「鹿児島の近現代」教育研究センター
鹿児島の近現代の歴史や文化、社会を対象にした研究をおこない、地域資料の収集と公開、データベース作成、教育プログラムの開発、講演会等の開催を通して、地域の活性化と課題解決に取り組んでいます。

「鹿児島の近現代」教育研究センター特任教員
鈴木優作(日本近現代文学)、日髙優介(地域社会学)、中嶋晋平(歴史社会学)、伴野文亮(日本近現代史)


司法政策教育研究センター
司法政策教育研究センターは、法学・政治学・司法政策分野の教育研究の推進と振興に取り組み、データベースの発信、専門職向けセミナー、高度な学習を望む学生の支援など、さまざまな社会貢献活動を実施しています。

就職状況

高い就職率を実現
法文学部は95.2%という高い就職率を誇り、就職以外にもさらなる進学や資格取得など希望に応じた多様な進路選択が可能です。

地区別就職状況

※令和4年度卒業者
※詳細は「鹿児島大学」ホームページトップより関連情報:「就職・進路データ」をご覧ください。

出身地での地元就職、地域への貢献
例年就職先の3~5割が鹿児島県内、3割前後が鹿児島以外の九州地方内です。地域の企業や各種機関で中核を担う人材として活躍しています。九州内外を問わず多くの人が出身地を中心に各自治体や国の機関、地元有名企業に就職し、活躍しています。

広い世界への飛躍
出身地に関わらず、首都圏など大都市圏の自治体、全国区での国家機関や一部上場企業への就職を希望する人達も夢を叶えています。