株式会社島津興業で働く上村瑠那さん

自己紹介
2016年に法文学部 経済情報学科(現:法経社会学科)に入学。
経済情報学科で唯一、日本史(日本経済史)関連の三浦ゼミに所属。
2020年に大学を卒業後、株式会社島津興業 仙巌園に入社。
仙巌園・尚古集成館受付などの接客業務を経験後、現在は仙巌園の企画・広報業務を担当。
1.大学時代に学んだことや学生生活
大学時代、私は「好きなことに目いっぱい時間を使おう」と決めて過ごしていました。
選択肢の幅が広がり、時間に余裕のあるこの期間だからこそ、興味を持ったものに積極的に触れ、自分が何に興味を持っているのかを見つめ直したい。この先挑戦したいことや、夢を探したいと考えていました。
そこで私は専攻しているカリキュラムに加え、気になった講義はとにかく「選択科目」に詰め込んで受講してみました。
例えば、映画論やシェイクスピア演劇についての講義、中世の古文書の読解、鎌倉幕府の成立に関する歴史学の議論、さらには遠野物語を通じて民俗学を学ぶ授業など…。多種多様な講義は、それまで触れたことのない分野の世界を知るきっかけとなり、物事を新たな視点で捉えるための貴重な経験となりました。
不思議なことに、後になって「あの時学んだことは、このためだったのかもしれない」と思える瞬間を体験することもたびたびありました。その度に、学びとはその時限りのものではなく、いつかの自分を形作る重要な材料なんだと気付かされました。
更に大学生活に慣れた頃には、少しずつ一人旅に挑戦してみることにしました。
それまで少し足が遠ざかっていた博物館や美術館を巡ってみたり、初めて劇場でお芝居を観たり…、“生”の迫力や“本物”を目の前にしたときの感動は、今でも上手く言葉に表現できません。どうしようもなく心がときめき、動かされ、深く響く。今思い返すと、時間と心の余裕があった大学時代だからこそ体験できた感覚かもしれません。
大学時代は、多くの出会いや経験を通じて、まさに自分自身を形作る大切な期間でした。
興味のあることに夢中になり、学びや旅を楽しみながら、自分の視野や価値観を広げることができたその時間があったからこそ、「今度は私が感動や楽しさを誰かに届けたい」と強く思い、働く今の自分がいるのだと感じています。
2.現在のお仕事(今の業務内容や取り組み、今後取り組みたいこと等)
私は現在、株式会社島津興業が管理・運営を行っている『仙巌園』にて、広報・企画業務を担当しています。
『仙巌園』とは:
鎌倉時代より南九州を治めた武家・島津氏が、江戸時代初期に築いた別邸。
最大の特徴は、鹿児島のシンボル・桜島と錦江湾を目の前に望める雄大な景観。
島津家歴代に愛された癒しと安らぎの場所であり、国内外の要人をもてなす「南の迎賓館」としても用いられました。
幕末には、隣接地に日本初の近代的な工業地帯「集成館」が建設され、鎖国時代の中、先駆けて富国強兵が目指された場所でもありました。このことから、2015年7月「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録されています。
現在は鹿児島の観光地のひとつとして、国内外のお客様にお越しいただいています。


私の所属する部署では、仙巌園の魅力をより多くの方々に知っていただき、楽しんでいただけるよう、さまざまな仕掛け作りやプロモーション活動に取り組んでいます。
具体的には、広報業務ではテレビ・雑誌・新聞・Web媒体など各種メディアと連携をし、取材対応や撮影の調整、掲載記事の校正作業などを担当しています。
また、企画業務では歴史や伝統を大切にしながら、仙巌園の新たな魅力を感じていただけるよう、季節ごとに受け継がれてきた伝統催事の企画・運営や、ポップカルチャーなどのコラボレーションイベントの立案などにも力を注いでいます。
今後は、仙巌園をはじめとして鹿児島の魅力をより広く発信し、多くの方々に知っていただけるよう、外部と連携を通した取り組みに挑戦していきたいと考えています。
また、歴史的に価値のある文化財を次世代へと受け継いでいくため、保存・活用に努めながら、より良い形で後世へ伝えていけるような運営にも携わっていきたいと思っています。

3.現役生に一言
大学時代は、選択肢が広がり、時間的な余裕もある特別な期間です。
学びたいもの、関わりたい人、挑戦してみたいこと。
すべてを自分自身で選び、決めることができるのが大学時代の特徴だと思います。
この期間で自分の好きなことを徹底的につきつめるのも楽しいですし、様々な分野に目を向けて新たな可能性を探るのも素敵だと思います。その際には、ぜひ積極的に専門の先生方へ質問やアドバイスをいただいてみてください。社会人になると専門家のお話を直接聞ける機会は想像以上に少なくなります。ぜひ、貴重な機会や時間を大切に生かしてください。
大学時代に学び、経験したことは、きっとあなたの人生において大切な道しるべとなり、夢を叶える原動力になってくれるはずです。
ぜひ、目いっぱい、学生生活を楽しんでくださいね!