大崎町の合作株式会社で働く髙橋 知成さん

卒業生
2025.3.7

自己紹介

熊本県阿蘇市出身。
2020年に法経社会学科地域社会・経済コースに入学。
2年次から地域社会コース酒井ゼミに所属。
4年次は鹿児島県大崎町や霧島市にも居住しながら、様々な企業でインターンを行う。
2024年3月に大学を卒業後、合作株式会社に入社し、循環型のまちづくりに取り組む。

大学時代に学んできたことや失敗

私は、大学時代に背中を押され、今でも教訓としていることが二つあります。

一つ目は「自分自身の中にある衝動を大事にすること」です。
私はもともと環境教育に関心があり、大学に入学しました。ですが、講義を通じて社会教育・生涯学習にも関心が湧き、大学時代には、森のようちえんや環境学習施設、フリースクール等のボランティア活動に従事してきました。2年次からは演習に所属し、学内外でコミュニティをつくる活動にも取り組んできました。また、演習でのフィールドワークをきっかけに大崎町に惹かれ、現在は大崎町へ移住し楽しく働いています。

衝動のままに、様々な現場に足を運んできたからこそ、卒業後も多様な繋がりのなかで生かされ、「やりたいこと」の実現に向けて動けていると実感しています。

二つ目は「完璧を目指すよりも、失敗を恐れずまずは動き、やってみること」です。
これは大学時代に繰り返した苦い経験でもあり、今でも克服できていないことなのですが、これまで動いてはみるものの、自分で抱え込んで助けを求められないことが多々ありました。特に、授業「特殊研究」での卒業論文執筆では、進められなくなったときに、友人や教員に上手く頼ることもできないまま、時間だけが過ぎてしまいました。

ですが、ギリギリの段階で先生や友人、先輩などに不恰好で不完全な状態であっても、なんとか一旦共有することで、どうにか書き上げることができました。

今でも不完全なものを出すことに躊躇し、失敗してしまうことはありますが、不完全でもいいから周りの人に頼る、抱え込まずに声をあげて助けてもらうことの重要性を強く実感しています。

今取り組んでいることや今後の展望

私は地元である阿蘇の草原の風景が大好きです。
小学生のころに受けた草原学習をきっかけに、草原の風景を地域の一員としていかに受け継いでいくかに関心を持ちました。また高校生のころから、草原を維持するために大きな役割を持つ「野焼き」にも参加してきました。
しかし、広大な草原を維持することへの地域の人々の苦悩と葛藤を目の当たりにし、担い手になることへの恐怖を感じました。どうすれば自分が潰れてしまわない形で、地域の未来に関われるかを考えたくて仕方がありませんでした。

そんなときに、大崎町で地域のことに対して熱を帯びながら楽しそうに語る人たちの姿を見て、非常に心が惹かれました。
大崎町は住民の分別により、ごみの約8割をリサイクルし、これまでに資源リサイクル率日本一を15回を達成している自治体です。ごみの焼却処理による莫大な費用の負担を後世に残さないように、町全体で徹底した分別に取り組んでいます。
その中で私は、企業や自治体などの方々の視察対応や大崎町の分別を体験できる宿の運営を主に担当しつつ、循環型社会をつくっていくために、大崎町内と町外の人たちを巻き込んで取り組みを進めています。

そのかたわら、定期的に阿蘇に帰り、集落行事や阿蘇で活動する面白く熱を持った人々のもとを訪れながら、どう阿蘇に関われるかを模索しています。

まだ将来がどうなるか全く分かりませんが、ワクワクしながら、尊敬できる素敵な人たちとこれからの未来について考えています。

現役生へのメッセージ

大学卒業後も、自分が抱える課題感ややりたいことを相談し、一緒に考え実践してくれるコミュニティに出会えたこと、その一員になれたことが、私にとって大学時代の一番の収穫でした。
葛藤を抱えることは多くあると思いますが、「自分自身の衝動を大事にすること」と「失敗を恐れず動き、やってみること」を胸に日々の大学生活を楽しんでください。