農業コミュニティー「アスノタネ。」で活躍する大山承太郎さん

在校生
2022.1.25

自己紹介

2020年4月に鹿児島県立短期大学第二部商経学科(夜間)から、法経社会学科地域社会コースへ編入学。短大時代にフィリピンへの海外ボランティアや島おこしボランティアを経験。これらの経験から子どもの貧困について深く学びたいと思い、編入学を志す。
編入後は、桜島をフィールドに農作業を多世代で楽しむ農業コミュニティ「アスノタネ。」を立ち上げる。「アスノタネ。」では、自身も農作業を楽しみながら桜島大根の収穫体験イベントや地域の飲食店等とコラボした企画を実施。卒業後は空き家のリノベーションを展開する企業に入社予定。


鹿児島大学に編入した理由は?

「実践だけでなく、もっと知識を身につけたい」と思ったことが最大の理由です。短大時代に様々なボランティアや地域活動に参加し実践と対話を繰り返す中で、自分の知識不足を痛感する場面が度々ありました。自分に知識がないので、その場では浅い会話しかできなかったんです。「ただ行動したことに満足しているだけ」の状態になってしまっていると感じて。知識を身につけることで出会う人と深い話ができるようになって、さらに多角的に考えることができるようにと編入を決めました。

法文学部なのに農業活動?

編入後は、農業コミュニティ「アスノタネ。」を通して、農業活動を楽しんでいます。そのため、農学部じゃないの?と間違われることが多いです(笑)。地域社会コースの中で専門として学んでいるのは「社会教育、成人教育」です。専門分野に農業は無関係じゃない?と言われることも度々あります。
しかし、世代やバックグラウンドが異なる人々が畑に集い、農作業をしながら相互に語り合う、このことこそが成人教育の実践の場となっているんです。他にも社会教育の実践として、子どもが地域の中で体験活動をすることができるように収穫体験イベントを企画・実施してきました。一見、全く関係のない異分野のようにも見えますが、実は密接に関わっているんです。異分野の実践であっても専門分野の学びに還元される。これは法文学部の強みだと思います。

でも文献講読中心のゼミに所属?

ゼミは、文献講読・議論を中心とする農中ゼミに所属をしています。
ゼミ選択の際に自分の中で「理論と実践の往還」がキーワードになっていました。文献講読を通して理論を学び、思考を鍛え、実践の場で試す。このサイクルを作っていきたいと思い、ゼミ選択はアクティブなゼミではなく、文献講読中心の農中ゼミを選びました。編入後2年間ゼミに所属していますが、かなり多角的に思考できるようになったと思います。ゼミ生同士で議論することで、新たな課題を検討・考察し、実践を通してどのように越えることができるのか行動する。ゼミと普段の農業活動を通して、理論と実践の往還を体感することができています。

畑でオンライン授業?!

編入直後からずっとオンライン授業が続き、変化が無さすぎたので何か変化をつけようと、畑でみかん箱を机にしてオンライン授業を受けたりもしていました(笑)。コロナ禍で様々なことができなくなったご時世ですが、将来自分が親になった時に「コロナでつまらない学生時代だった」と子どもに言いたくないなと思ったんです。それで、つまらないと言ってるだけじゃなくて、自分から楽しめる変化を作ろうと実践したのが畑でオンライン授業を受けることでした。イメージ、色とりどりなバーチャル背景が使用されているなか、ひとりだけ背景がリアルピーマン畑という感じです(笑)。コロナ禍でやりたいことができない、つまんないってなるけど「楽しいは自分たちで作るもの」だと思って。こんな時代だからこそ、逆に農業活動や畑で授業みたいなことができたかもって思うこともあります。

就職活動はどうでした?

「これだけ活動をしていれば、就職活動(面接)は話すこと沢山で余裕でしょ」とよく言われます。しかし、就職活動中、農業や海外ボランティアについてのエピソードトークはしていません。
就職活動の面接で「学生時代に力を入れたこと」を問われた際に話したのは「バイトと高校時代の部活動」のみでした。
これから就職活動を控える2〜3年生がこの文章を読んでくれていたら、コロナの影響で留学や地域活動に参加できていないことから就職活動で、一体何を話せば良いのだろうと焦りを感じる時があるかもしれません。でも、大切なのは「何をしたかではなく、何をどのように考えて行動してきたか」だと思います。これは僕が就職活動で感じたことに加えて、これまでの実践の中で学びを与えてくださった社会人の方々やゼミ活動から教わったことです。

最後にメッセージ!!

法文学部にいることで、専門の社会教育関連はもちろん、経済、心理、法律と多岐にわたって学ぶことができる学部だと思います。法文での学びって、とても楽しいです。
こう言うと意識高い系と括られがちですが、そうではなくて。地域に出て活動の場、人がいる場に足を運び、人と対話を繰り返す中で様々な問題・話題・景色に触れるなかで、段々と大学の授業が楽しくなってきました。
どんなことでも、自分の身近なことに視点を向けることで、学びの楽しさを実感できるのが法文学部の魅力だと思います。
ぜひ、今しかない学生生活を楽しいものに!!