春からベトナムへ留学予定の田中茉紀さん
自己紹介
2020年4月に鹿児島純心女子短期大学(英語科)から、法経社会学科地域社会コースへ編入。短期大学在学中には、鹿児島県が主催する「かごしま青少年海外研修事業(香港)」への参加やイギリスでの語学留学を経験。外国での様々な出会いを通し、多くの人に鹿児島に来てほしいと思うように。せっかく来てもらうなら、これから鹿児島に来る人たち皆が過ごしやすい鹿児島になってほしいと思うようになり、まずは多文化共生を含め鹿児島の実情を知りたいと考え、編入学を志す。
編入後は、大学の講義で鹿児島の地域社会が抱える課題やその解決方法について学ぶ一方で、新たにジェンダー問題や外国人技能実習制度について興味を持つ。また、在学中は就活冊子の作成やかごしま青年塾、かごしま課題解決型インターンシップ等多方面に関わる。2021年に文部科学省主催「トビタテ!留学JAPAN」の派遣留学生に選ばれ、2022年3月からは日本に多くの技能実習生を送り出しているベトナムへ留学予定。ベトナムでは、「日本を支える外国人技能実習生を支える」をテーマに、自分自身にできることを模索するため、ハノイ国家大学人文社外大学でベトナム語を学びながら、技能実習生の送り出し機関で日本語指導のボランティアを実施予定。
編入した理由
「鹿児島の現状と課題を知りたい」と思ったからです。 短大時代、「鹿児島のことを知らないな」と痛感することが何度もありました。あまりの知らなさに、このままでは、もし鹿児島が廃れていくことになっても他人事のようにただ眺めることになってしまうと焦りました。 また、短大時代に出会った海外の人達に鹿児島に来てほしいと思っているのですが、今鹿児島に来ても(海外の人達は)過ごしにくいのではないかと思ったんです。同時に、そもそも今鹿児島に住んでいる人達にとっても過ごしやすいのかと疑問を抱くようになりました。 自分の知識の乏しさと、これから鹿児島に来る人達と今鹿児島に住んでいる人達のために何かしたいと思ったことから、そのためにまずは現状を知りたいという思いで編入をしました。
編入して良かったこと
キリないので3つに絞るのですが、、、(笑) 第一は、当たり障りのないことになるのですが、学びたいことが学べたことですね(笑)。履修可能な限りの講義を受講していたので在学中はレポートに埋もれる日々で凄く大変でしたが、それでも学べる日々がとにかく楽しく充実していました。 第二に、視野が広がったことです。講義やゼミ、様々な活動と人との出会いを通して各段と視野が広がりました。その反面、広がりすぎた興味を収拾するのが大変でした.. 最後はゼミですかね。先生とゼミ生から気づきを得たり、自分の考えを見直したりすることが多々あります。今までどこか避けていたジェンダーと向き合うきっかけをくれたのも、留学予定のテーマである外国人技能実習生についての興味を持ったきっかけもゼミでした。改めて振り返ると、今のゼミに入ることができてよかったなと心から思います。
ゼミでの活動
ゼミでは、対話やファシリテーション、批判的教育学についての文献講読と、卒論の執筆が主でした。コロナウイルスの影響で頻繁に足を運べていないのですが、大崎町でのフィールドワークにも参加していました。大崎町ではSDGsや多文化共生、環境問題から持続可能な社会等をテーマにフィールドワークを実施し、地域の皆さんへのインタビュー調査を行いました。インタビューを通して、27品目もあるごみ分別が住民にとってはある種当たり前の文化として根付いていたり、ゴミ分別それ自体が住民の誇りや地域のアイデンティティになっていること、分別の仕方が分からない人がいれば教え、そうした行為がコミュニティを形成する一助になっていることなどを学ぶことができました。
インターンの活動
2021年の8月後半から9月前半のあいだ、外国人技能実習生の管理組合でインターンをしました。インターンでは、技能実習生を受け入れている企業への監査同行や仕事内容等を学びました。加えて、入国や資格更新等の事務的な作業や、技能実習生のための工夫や組合の方々の思いも知ることができました。 ニュースや学術書等で取り上げられている技能実習生は、胸が苦しくなるような内容が多いです。ですが、今回の技能実習生と企業の中間にいる管理組合でのインターンシップを通じて、技能実習生と制度についてのイメージが少し変わりました。 組合の方々の人柄も影響していると思いますが、実習生に寄り添って真摯に相談を受ける姿や、実習生自身のキャリアアップを応援しできる限りのことはしたいという姿勢の方々を間近で見ることで、技能実習制度やそれに起因する諸問題については問題視していく必要があるかもしれませんが、皆が皆ニュースで取り上げられるような待遇でないことを、体験を通して知ることができました。
最後にメッセージ
学生生活、失敗を大事にするゼミでは遠慮なく何度も失敗し、講義でも幾度となく赤っ恥をかいてきました。少なくとも法文学部は、失敗が許される場所であり、失敗できる土壌があると勝手に思っています(笑)。そんな環境下で学びを深めるのも広げるのも、失敗するのも苦しむのも自分次第です。 学部のみならず、学外での学びの機会って意外なところに転がっていて。アンテナを張り巡らせていたり、ちょっとでも自分の思いを外に出すようなことがあればきっと見つけられるでしょうし、先生方も手を差し伸べてくださると思います。
(編入試験を受ける前、鹿児島大学で学ぶ友人から、「地域社会コースには、大学を変えようと頑張っている先生がいる、学生と真摯に向き合ってくれる、とにかく先生が良い」という先生についての話が印象に残っています。これから地域社会コースを目指す学生がいると小耳に挟むようなことがあれば、次は私が同じことを言うでしょう。)
失敗しないが為の言い訳って無限にでてくると思います。ですが、この失敗できる機会を蔑ろにすることは勿体無いと思うんです。 一度しかない人生、できるときにできることを、やっておけばよかったと後悔しないような人生が送れますように!