出水中央高校でリモート出前授業を実施

教員:
2023.4.4
前から見た生徒の皆さんの様子

2023年3月17日(金)、午後2時40分から午後4時30分まで、出水中央高等学校の普通科特進課程の1年生56人、2年生55人、合計111人に、社会学の観点からみた尊厳死と自己決定について、リモート出前授業をおこないました。匿名掲示板LiveQも活用しました。

授業のテーマは「日本の尊厳死を考える」でした。

日本の尊厳死の定義は何か、海外の動向はどうなっているか、理解したうえで、さらに尊厳死の法制化による「すべり坂」問題を学びました。そして、日本の尊厳死の法制化に賛成する立場と反対する立場、それぞれの主張を学習しました。

最終的には、高校生の皆さんが日本の尊厳死を素材にして、高校生の視点から、社会学はどんな学問か、自己決定するというのはどういうことか、深く考える機会になりました。

ある生徒が書いたメモ

生徒たちの感想文のなかには、つぎのようなものがありました(一部抜粋)。

尊厳死に関する問題は本当に難しいと今日の講義を聴いて改めて思いました。自分がそのような問題と向き合わないといけない状況になったとき、どんな選択をしたとしても後悔してしまうと思います。何が正解かわからないし、どうすればいいのかもわからない。本当に難しいです。

生きる権利だけでなく死ぬ権利についても考えていきたいです。

人の死が関わっているから、だけでなく、ミクロ・メゾ・マクロの関係、すべり坂問題などが複雑に絡み合っていることで、答えの出しにくい問題になっている、これが私の今回の授業の気づきでした。

人の意見に左右されない「自分自身の決定」というのはとても難しいなと思いました。

自己決定できないところは他人に頼ってもいいのではないかと思います。他人に頼るということを自己決定したらこれも自己決定? 難しい話ですね。興味深い話でした。

人間がもつさまざまな面、矛盾したところがとてもおもしろいなと思いました。

この先の人生、ミクロ・メゾ・マクロの考え方は自分が悩みを抱えたときに役立つ視点だなと思いました。

「その時」が来ないで欲しいというのが一番ですが、それでも事前に考えておくに越したことはないと思います。

決めつけてしまわずに、さまざまな角度から冷静に物事を見てみる、その良い練習になりました。

後ろから見た生徒の皆さんの様子