大崎町で多文化共生調査を実施(10)

教員:
2021.6.28

6月11日(金)に、大崎町の多文化共生基礎調査を実施しました。(酒井ゼミは公益財団法人マツダ財団から助成を受けて昨年度から「住民参加型による外国人技能実習生の地域包摂に関する調査研究~鹿児島県大崎町を事例に~」と題したプロジェクトに取り組んでいます。本調査は、特定非営利活動法人大崎ものづくりネットワーク振興会鹿児島大学大崎活性化センターからご協力頂いて実施しています。)

当日は、環境プロジェクトチームは衛生自治会副会長の萩原洋一氏から、SDGsチームは大崎町役場企画調整課課長補佐/一般社団法人大崎町SDGs推進協議会事務局長の中村健児氏、大崎町役場企画調整課の宮下功大氏からお話をうかがいました。また、多文化共生に関して取り組むチームは大崎町を探索しました。

大崎町を訪問した学生からは以下のような感想が寄せられました。

学生A
衛生自治会の萩原さんから、現在のゴミ分別に至るまでの過程を事細かに教えていただき、改めてリサイクル率82.6パーセントがいかに困難を極めたものの、弛まぬ努力を続けた結果として成し遂げられたものかを認識できた。その中でも、やはり住民主体でゴミ分別を行うための衛生自治体の発足は、住民の1人1人にその自覚と活動への主体性を育むという面で大きな分岐点であったと理解した。また、大崎町のゴミ分別を後押しをしたのは、分別により「大崎」の名が世界に知れ渡ったことを認識することができ、誇りを持てるようになったためであるという点に深く共感した。目に見える結果という形で何らかの賞をいただけたり、注目を浴びることができることが何よりの原動力であるように個人的にも感じた。そして、萩原さんがおっしゃっていた、「経験する」ことの大切さについて、まさに机上の理論を飛び越えた実践にこそ、本当の気づきや発見・成長があるのだと感じ、まさしく「大崎町」でのプロジェクトの実践を通して、「成功体験」のみならず「失敗体験」もなるべく多く「経験」できるように積極的にトライしていきたい。「成功体験」より、むしろ、「失敗体験」にこそ、「経験」の価値があるように感じた。

学生B
事前に読み込んだ大崎町SDGs7未来都市計画について、また4月からのOSAKINIプロジェクトについてお話を聞かせていただくことができた。SDGs協議会で最も力のいれられていた情報発信においてオンラインでの講習や修学旅行、企業視察・研修はとても興味深かった。この点に関して発信するだけのものではなく、さらに身近に肌身で感じてもらうことができないだろうかと考える点もあった。特に次世代を担う若者に対しての施策はないだろうかと思う。修学旅行で取り入れられていることに+αとして、学校で実践してもらうというような事後学習や、修学旅行というような特別な行事ではなく、もっと身近に何かできないかと。私たち(大学生)が関わることでどのような行動が取れるか考えるきっかけになった。

学生C
町散策のあと福祉センターを訪問しました。福祉センターでは体操教室等を大学と提携して行うことで、高齢者の方々の健康増進を行なっていました。このような場に実習生が関わる機会があれば、住民同士の交流に繋がるのではないかと考えました。自分が思っていた以上に、高齢者と実習生の交流が少ないことに気がつくことができました。

午後は、環境課の方にインタビューを行いました。
技能実習生に対するゴミ分別の研修が、思っていたよりも手厚くなされていました。年に2回開催されている多文化共生に関する会議では、様々な視点の意見を募ることで客観的な情報共有がされていました。大崎町が横のつながりを大切にしていることが伝わってきました。