大崎町で多文化共生調査を実施(9)

教員:
2021.6.16

4月28日に、新たなに酒井ゼミに所属した2年生を中心に、大崎町の多文化共生基礎調査を実施しました。(酒井ゼミは公益財団法人マツダ財団から助成を受けて昨年度から「住民参加型による外国人技能実習生の地域包摂に関する調査研究~鹿児島県大崎町を事例に~」と題したプロジェクトに取り組んでいます。本調査は、特定非営利活動法人大崎ものづくりネットワーク振興会鹿児島大学大崎活性化センターからご協力頂いて実施しています。)

当日は、多文化共生環境安全連絡会議等を通して技能実習生の地域での受け入れ進める萩原洋一さんや教育委員会の皆さんから、大崎町における多文化共生の現状と課題、それらの課題と社会教育・学校教育との関連等についてお話をうかがいました。

参加した学生からは以下のような感想が寄せられました。

学生A
萩原さんや社会教育課、管理課の方々の話を聞いて皆さんの生涯教育に対する熱量や、一つの物事に対して深いところから掘り下げより良い環境を作り上げていこうとする姿勢に圧倒されました。特に萩原さんの歳をとっても学ぶことで変わることができるんだという言葉には心を打たれました。
 現在大崎町に技能実習生として来られている方々に対して思い出を作ってあげたいという考えは持続可能なまちづくりにおいて非常に重要だなと特に感じました。3年間一度も母国に帰らず働き続けるということは体力的にだけでなく精神的にも非常に辛いことです。そんな中で楽しい!住みやすい!と思ってもらえるためには行政の方々だけでなく日常生活における住民との交流が鍵になるのではと考えました。そのためにも、「教育」によって誰もが持っている差別の意識を変えていくべきだと思います。
 いきなり一方的に交流をして、馴染んでもらおうという考えではなく、まずは「信頼」してもらうために少しずつ接点を作っていこうという考えは、これからの社会において広げていくべきだと思いました。これを広げていくことが日本を「選ばれる国」として発展させるための第一歩になるのではないかと思います。
また、住民の方々にお話を聞いた際には行政の方のお話と少々ギャップがあるなと感じました。リアルな現場の声を聞くということはなかなかない体験でした。物事を行う上でさまざまな視点から意見を求めるということの重要性を実感することができました。

学生B
大崎町に初めて訪れましたが、先進的な取り組みをしていることが改めて分かりました。私が、特に印象に残ったことは、萩原さんの「選ばれる国になること」という言葉です。私は、これまで無意識のうちに技能実習生を自治会に入れることが良いと考えていました。しかし、萩原さんは「技能実習生に自治会に入るか否か選択肢を与える」とおっしゃっていて、自治会に入れることが必ずしも正しいというわけではないことに新しく気付きました。「選ばれる国」になるために、まずは、自分の中の無意識の考えを改めたいです。また、技能実習生との交流が少ないことに対して、日本語教室を開催したり、住民がやさしい日本語を使ったりするという取り組みがありましたが、十分ではないことが分かりました。言葉の壁をなくすことは難しいですが、画期的なアイデアを考えていきたいなと思いました。