大崎町で多文化共生調査を実施(8)

教員:
2021.4.1

3月23日に希望者のみで大崎町の多文化共生に関する調査を実施しました。(酒井ゼミは公益財団法人マツダ財団から助成を受けて本年度から「住民参加型による外国人技能実習生の地域包摂に関する調査研究~鹿児島県大崎町を事例に~」と題したプロジェクトに取り組んでいます。本調査は、特定非営利活動法人大崎ものづくりネットワーク振興会鹿児島大学大崎活性化センターからご協力頂いて実施しています。)

本日は有限会社そおリサイクルセンター並びに大崎町の埋め立て処分場に足を運び、関係者から大崎町のリサイクルの現状や課題についてお話をうかがいました。
次年度からはこれまでの調査を踏まえたうえで社会教育、多文化共生、SDGsをキーワードにプロジェクトに取り組んでいきます。

なお、参加した学生からは以下のような感想が寄せられました。

学生A
午前中は有機工場に訪問させていただきました。実際に堆肥化の過程を見ることで、今まで学んできたことをより具体的に落とし込むことができました。そして、循環の過程が可視化されたことにより、わくわくすると同時に想像以上に手間のかかる作業や都市部における堆肥の需要を考えると循環のシステムを他の地域に取り入れることの難しさも感じました。(堆肥以外のリサイクルの出口など都市部に合った循環システムについて考えるきっかけになりました。)生ゴミを堆肥化するシステムは、いかに環境に負荷をかけないかが重視されており、コスト面だけでなく、科学的な知見がかなり必要とされると感じました。それを行政、衛生自治会、民間で実際に視察と失敗を繰り返しながら生み出したことは驚きで、他の地域でも実践するには宮下さんのおっしゃっていた“本気度”が大きく関わることを肌で感じることができました。また、行政と企業の関わり方や住民参加のバランスのとり方など、リサイクルを通して大崎町から学ぶことは多くあると改めて感じました。行政、衛生自治会、民間の方々がいる場でお話をお聞きできたらそれぞれのつながりがより捉えやすくなると思いました。

午後はそおリサイクルセンターに訪問させていただきました。ペットボトルのラベルが剥がされていないことやプラスチックの部分が取り外されていないことなどがリサイクルの質に大きく関わっていると実感し、自分の分別意識も見直すきっかけになりました。また、私も手作業の多さが非常に印象に残り、リサイクルによって雇用が生まれやすくなる可能性を感じました。一方で、大型の機械やガラス、蛍光灯を扱うなど安全面での配慮が非常に重要になると思いました。将来的に外国人技能実習生を受け入れられるとおっしゃっていたので、安全面に直結する言葉の伝え方も今後の課題になるのかなと思いました。
有機工場でもそおリサイクルセンターでも、大崎町の“分ければ資源”という合言葉が身をもって理解できました。この理解は、これまで大崎町を何度か訪問していても聞くだけでは追い付かなかったことで、今回現場に訪問した意味は非常に大きいものになりました

学生B
3月23日大崎町訪問の感想です。今回実際にリサイクルの工程をみて、手作業が多く、一つ一つの作業に手間暇をかけて行っていることが印象的でした。リサイクルに取り組むためには根気強さと地域住民との連携が欠かせないと改めて感じました。生ごみ用のバケツを洗う時に汚水を出さないようにのこくずを使用したり、生ごみから出た汚水を堆肥化する際の水分調整に利用したり、また、廃食油を施設の機械やごみ回収車両の燃料として再活用したりなど、リサイクルの工程にも様々な工夫がみられ、驚きました。リサイクルへの取り組みを行う上で、ただリサイクルするだけではなく、リサイクルの工程においても環境への負荷の軽減を考慮した上での取り組みを実践することが大切であると気づきました。また、昼食の際に実際に出たごみを洗い分別しましたが、この作業を毎日行うことははじめのうちは非常に大変であるように感じました。大崎町の方々にとってこの作業を行うことは当たり前となっているということがいかに素晴らしいことであるか身をもって実感し、改めてリサイクルへの取り組みは長期的な視点から継続することが重要であると感じました。

また、初めて埋め立て処分場を訪れ、自分がいま立っている地面の下に沢山のごみが埋められていると思うと、身の毛がよだちました。自分自身のリサイクルに対する意識を改めることにつながりました。有機工場の常駐作業員が2人のみであることや力仕事が多く、作業員への負荷が大きいことなどから、雇用の面で今後の課題がでてくるように感じました。今回で大崎町訪問は3回目でしたが、大崎町やリサイクルセンターの方々が抱えている課題やニーズに沿った質問を行うことができず、反省点が多くありました。的確な質問を行うことができるよう場数を踏んでいきたいです。

学生C
午前中は、有機工場を見学させていただきました。工場の中は、悪臭がすごいというわけでは全くありませんでした。約2日に一回生ごみを回収することによって、生ごみが腐る前に発酵させることができ、またヨモギと黒砂糖で作る乳酸菌が防臭に役立っていることが分かりました。発酵中の土からは煙が出るほど菌が活動していました。土から煙が出ていた光景はとても衝撃でした。実際に生ごみが堆肥になる過程を見せて頂いたことで、生ごみを埋め立てずに資源として扱う重要性を再確認できました。また、埋め立て処分場も見せていただいて、リサイクルをしていなければすでに埋まっているはずだった場所も見せて頂きました。私にとって埋め立てている様子を見るのは初めてで、ビニール袋のまま、商品名がはっきり分かるような状態のごみも埋め立てられていて、自分が立っていた場所にもゴミが埋まっていると思うと、何となく悲しい気持ちになりました。地球が続く限りこのゴミも埋まったままなのだと思うと怖かったです。

午後はそおリサイクルセンターに訪問させていただきました。ほとんど機械に任せてリサイクルされていると思っていましたが、人間の手での作業が非常に多いことに驚きました。1つラベルのはがされていないペットボトルがあったら、誰かがそれを選別しないといけないという事は驚きでした。実際に行ってみて、リサイクルの過程を知ったことで、大きく自分の分別への意識も変わりました。もっと多くの人にこの工場は見てもらうべきだとおもいます。質疑応答の時には、自分の質問力不足で、聞きたいことが上手くきけませんでした。まだまだ実践を積んでインタビュー力をあげたいです。。。