大崎町で多文化共生調査を実施(5)

教員:
2021.2.25

 2月17日に希望者のみで大崎町の多文化共生に関する調査を実施しました。(酒井ゼミは公益財団法人マツダ財団から助成を受けて本年度から「住民参加型による外国人技能実習生の地域包摂に関する調査研究~鹿児島県大崎町を事例に~」と題したプロジェクトに取り組んでいます。本調査は、特定非営利活動法人大崎ものづくりネットワーク振興会鹿児島大学大崎活性化センターからご協力頂いて実施しています。)

調査では、まず合作株式会社代表取締役の⿑藤智彦氏から、合作の立ち上げの経緯や事業内容、2021年1月に設立された「大崎町SDGs推進協議会」での合作の位置付け、学生インターンに対して期待すること等をうかがいました。

また、午後からは大崎町役場社会教育課の東水流さま、上床さま、大野さまから、大崎町における社会教育の実態や課題、定住外国人に対する取り組み等についてうかがいました。

参加した学生からは以下のような感想が寄せられました。

はじめに合作の齋藤さんからお話をうかがいました。合作が企業と地域をつなげる役割を果たすために発足したことを教えて頂きました。生産者のフードロスを減らすアプリTABETEの運営、プラスチック容器の撤廃を目指すための働きかけを行うなど、広い範囲で事業を行う予定だそうです。企業の利潤追求と地域の幸福・利便性追求のギャップを埋めるための会社であるという事が印象に残っています。常に新しいことに先駆的にチャレンジし、実証実験的に行ってみる。それを全国に広めていけるような活動をされるとのことで、合作にますます興味を持ちました。

午後は社会教育課の方にお話を伺いました。残念ながらあまり質問する時間がなかったです。お話の中で、女性講座なるものがあることに驚きました。男性講座はないのか、この講座ができた背景はそのようなものなのか質問したかったです。また、住民に社会教育=趣味の活動ととらえられがちなのかなと思いました。行っている施策が推奨や啓発といったことで終わってしまっていて、行う意味があるのか疑問に思うものもありました。量的調査はもちろん、質的調査をもっとすることで、見えていなかった課題や問題点が見える化されそうな気がしました。

大崎町に訪問するのは2回目で以前とはまた違う深く、具体的なお話を伺えた。合作さんのお話では、大崎町で企業と地域の連携がうまくいかないことが課題として挙げられており、その連携のためにSDGs推進協議会が機能していることを理解できた。企業の利潤追求と地域貢献(地域の資源を活かした活動)はときに反するものになると思うが、その際には仲介役としてどのような役割を果たしているのか気になった。また、行政の仕事が“まちの経営”で、まちのひとの資産(まちの価値)を守る役割を担っているという考え方は非常に新鮮だった。教育や福祉など形のないサービスにおいても、住民の資産を左右する政策であると考えると、より効果的で具体的な案を出せるのではないかと感じた。そして、今回のお話の中で何度か“(分別について)説明できることが大事”とおっしゃっていたことが印象に残った。“説明できる=理解している”だけでなく“説得力”が求められると思うが、説得力のある説明を住民にするためにはどのような取り組みをしたのかお聞きしたい。インターンのお話を伺い、“物事の起こし方”を私も経験を通して学びたいと思い、興味を持った。

 社会教育課さんのお話では社会教育が学校教育を補完するものとして語られているように感じた。社会教育の捉え方は人それぞれだと思うが、私は学校教育と社会教育は平行して行われると考えるとより幅広い学びや経験を提供できるのではと思った。しかしこれは私の解釈であるため、次回お話を聞ける際には社会教育課さんの社会教育の捉え方についても質問したい。また、区外の問題や生涯教育講習に人が集まらないことなどアンケートやインタビューをすることで意外な事実が明らかになるかもしれないと思った。大崎町の社会教育の現状や課題を知ることができる大変良い機会だった。これからも積極的にお話を伺いたい。

一番印象に残ったのが社会教育の必要性についての話でした。ブラジルのリオには、社会教育に関してそんな積極的な取り組みがあまりないので、自分にとって実は聞いた・考えたことのない話になりました。日本語があまり話せない日本に住んでいる外国人のニーズについても考える良い勉強になったと思います。

社会教育の活動のやり方や目的はちゃんと分かったかどうかまだ自信がないんですが、勝手ながら発表を録音させていただいたので、把握できるまで何回も聞こうと思っています。しかし、他の学生と同じように、発表の内容から趣味の活動は中心とされすぎているのではないかと疑問に思ったところもありました。

また、大崎町のような小さな町なら、そんな活動はあまり行いにくくないかもしれませんが、東京やブラジルサンパウロのような大都市だったら、無理じゃないかなぁとも思いました。人が誰が隣に住んでいるかさえ知らないことが多い、引きこもりが大社会問題になっている大都市ではどうやってこんな社会的接触や個人的成長を育む活動に住民(特に若者)を巻き込めるかについてこれから考えていきたいと思います。

最後、リサイクルの話についてですが、ちょっと難しい話だったので、録音をもう一回聞かなければならないと思います。「TABETE」というアプリが素晴らしい案だと思って、感動しました。