川内高等学校で出前授業
2020年11月16日(月)、片桐教授は鹿児島県立川内高等学校で、2年生に対し出前授業を行いました。第一部は午後2時10分から、第二部は午後3時10分から、同じ内容でそれぞれ50分間レクチャーしました。受講者数は、第一部17人、第二部16人、合計33人でした。
授業のテーマは「人口減少とどう向き合うか」でした。日本はなぜ人口減少しているのか。地方の小さな村は人口減少にどう向き合ってきたのか――。限界集落と小中学校の統廃合の社会的事実に注目して、この問題を生徒たちと一緒に考えました。さらに今回はコロナ禍と社会全体のデジタル化が過疎地域にもたらす可能性と限界についても考えました。
グループ討論の課題として「人口減少が進む中、高校生として普段どんなときにデジタル化を感じますか」と生徒たちに質問しました。すると「コンビニでキャッシュレス決済かどうか聞かれるとき」「電車等に乗るときICを使うとき」「デジタル化を感じることはない」等と答えてくれました。
もう一つグループ討論の課題として「あなたは両親や祖父母から何を継承しますか」と聞いたところ、生徒たちから次のような答えが返ってきました。
料理
掃除
畑
梅干しの作り方
財産
方言
祖母のレシピ
祖父の釣り技術
後日送付されてきた生徒たちの感想文のなかには、次のようなものがありました(一部抜粋して紹介)。
村おこし、町おこしなどの活動も聞くが、大切なのは、その場所が若者に「守っていきたい、継承していきたい」と思わせるような何かを持っているかどうかだと知った。……地域の存続のためには変化も大事だと思うので、古いものを生かしつつ、何か新しいものを生み出していけるように、ニュースなどにも自分の意見を持っていきたい。
自分はあまり地域に愛着がなかったので、受け継ぎたいものは特にないと思っていたが、人と話したり、話を聞いたりしたことで、地域の伝統行事や料理、方言なども残していくべき大事なものだということを今回確認できた。
少子高齢化のことなど深く説明してくださったり、グループで話し合ったり、おもしろかった。……親が子を大切に思う気持ちにより、若者が都会に出ていくというのはなるほどなと思った。
人口減少が進んだのは、それぞれの人の生き方や多様な価値観が尊重されるようになったことが原因だと知って、驚きました。人生の選択肢が増えることは、自分たちが幸せに生きられる人生を選べるようにいい事もあるけど、人口減少にもつながってしまうことを学びました。
人口減少と聞くとこれまでは自分とはとても遠い存在のように感じていましたが、今回、祖父母、両親から継承するものがあるか考えたときに、自分の考えが少なからず人口減少に関わっていると感じました。
大学ってどういうところで、どんな授業をするのかよく分かりました。大学は高校よりも話し合って発表する作業が多いのかなと、少し想像できました。……これから鹿大の法文学部に入れるよう、勉強をがんばっていこうと思います。
小さな町や市などが合併するのは簡単にできることではなく、お互いの言い分や大切にしたいものがあり難しいのだと初めて知りました。……慣れない…司会、上手くやれてよかったです。ありがとうございました。
今回の講義を通して、1つの問題を多面的に深く考えることに興味をもちました。……高校を卒業した後は“今まで学んできたことを結集させてじっくり考える”ということを大学でしてみたいです。そのために、幅広い知識を蓄えたいです。