夏休みに小栗ゼミの屋久島調査実習をおこないました
小栗ゼミでは、8月28日(金)から31日(月)の3泊4日の日程で、屋久島に夏休みの調査実習に赴きました。毎年恒例の夏季調査実習ですが、今年度は大学のコロナ感染対策のガイドラインに沿って感染予防に努めて実施しました。
調査の目的は、屋久島環境文化村構想の理念と現実を近づける〈島に根ざした教育〉と〈住民のかかわり〉の現状と課題について調べることであり、屋久島の暮らしの文化と自然環境とのつながりを探り当てることでした。
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調査の対象は、多様な立場の方から話を聞くために、1)屋久島町役場(5つの課)と同町社会教育関係施設(2施設)、2)鹿児島県と国(環境省)の関係機関、3)集落の住民(2集落)、4)都市部の住民の方々で、4日間を通じて23名の方からお話を伺うことができました。
学生たちは、事前学習のなかで問いを考え、ヒアリングの主担当と副担当など分担して役割を決め、当日を迎えました。新ゼミ生の2年生7名は初めての経験、3年生以上の4名にとっては、昨年度(奄美大島調査実習)に続く二度目の挑戦となりました。
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全行程を終えた学生は、調査実習のテーマである「島民の内発性(自立)を重んじながら、〈開発(人間活動)と自然保護の両立〉の実現を目指す地域づくり」について、次のように振り返りました。
「今回の調査実習で共生の難しさを感じた。自然と人間の共生においては島外の者が自然保護を唱えることは簡単であるが、島内の者からすると生活がかかっているため、そう簡単に答えが出せるものではない。また、島民と移住者の共生も難しい側面があるようだ。これらのことから「自然と人間の共生」も「島民と移住者の共生」もどちらかの考えに偏ってはならず、意見や行っている活動の違うそれぞれの主体者が、互いに考えを伝えるためにも集まれる場づくりが重要であると強く感じた。」
10月から事後学習を再開し、報告書を作成することになります。学生たちが今後さらに何を深め、提言することになるのか楽しみです。
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今回は、ソーシャルディスタンスを取ることに気を使う調査実習となりましたが、研修の受入れをして頂いた屋久島環境文化研修センター(屋久島環境文化財団)をはじめとする関係機関や集落の皆様のご理解とご配慮により、物理的距離は遠くとも、内容の密な時間を過ごすことができました。この場を借りて、調査を受け入れてくださった屋久島の皆様に心より御礼申し上げます。