鹿児島県の多文化共生・日本語教育推進のためのワークショップを開催
【1】趣旨説明
近年、鹿児島県では多文化共生推進会議等を通じて、多文化共生の地域づくりに関わるキーパーソンや組織の実践事例の共有、および課題の可視化に取り組んできました。また、鹿児島県国際交流協会等においても、自治体との連携講座等を通じて、多文化共生の地域づくりの推進が図られています。さらに、いくつかの基礎自治体や地域においては、他県に類を見ない多様で先進的な実践や施策が展開されています。
しかしながら、近年の排外主義の顕在化に加え、少子高齢化や人手不足を背景とした外国人住民のさらなる増加が見込まれるなか、関係者間における情報や課題の一層の共有(より解像度の高い共有)、方向性の確認、そして協働に向けた関係性の構築は喫緊の課題であるといえます。
また、基礎自治体や地域間における多文化共生の取り組みの差が拡大しつつある現状を踏まえると、鹿児島大学をはじめとする高等教育機関のみならず、鹿児島県や鹿児島県国際交流協会等が、基礎自治体を横断的につなぎ、広域的に対応しうるパブリックセクターとして果たしうる役割や可能性についても、より具体的かつボトムアップに議論していく必要があります。
そこで、3月17日午後、鹿児島大学法文学部1階ラーニング・コモンズ1で以下を目的としたワークショップを開催しました。
【2】目的
(1)鹿児島県の多文化共生の地域づくりにかかわるキーパーソン同志の深い対話と相互理解を踏まえた関係性の構築
(2)(1)を踏まえて、オール鹿児島で多文化共生の地域づくりを推進するための課題の共有、方向性に向けた確認
(3)鹿児島大学や県、国際交流協会といった基礎自治体に横串をさせる・広域で対応可能なパブリックセクターの役割・可能性の検討
【3】事例発表者
きりしまにほんごきょうしつ代表 本田佐也佳さん
マザリープロジェクト代表理事 和田友美さん
鹿児島大学等非常勤講日本語教師 山下直子さん
やおあい代表 原田 志穂子さん
まず、ワークショップでは参加者全員によるチェックインを行いました。次に、上記4名がそれぞれの実践の背景や具体的な実践内容、現在抱える課題、今後の方向性について報告しました。次に、事例発表者も踏まえた16名の参加者全員で、(1)多文化共生を開く/展くネットワーキング(多文化共生に興味のない他者の包摂)、(2)1人国際交流協会の在り方を越えるためのネットワーキング(ボランティア・後継者育成・包摂etc)、(3)日本語教師のネットワーキング、の3つの論点を軸に、グループに別れて話しあいを行いました。
【2】(3)部分は時間の都合上十分に議論することができなかったものの、しばしば指摘されるところの「多文化共生や日本語教育に関するネットワーキング」の解像度の高い理解並びに今後に必要な取り組みや施策については一定程度議論がなされたと思っています。事例発表してくださった皆さまはもちろん、ご参加くださった皆さまにも心よりお礼申し上げます。
なお、本事業は令和7年度法文学系教育研究特別経費助成を受けて実施しています。