大崎町で地域日本語教室を開催(4)

教員:
2023.9.14

9/10(日)に大崎町中央公民館で本年度第4回目となる地域日本語教室を実施しました。
当日は時間変更があったにもかかわらず9名の学習者が参加し日本語を学びました。
本事業は大崎町から受託した「日本語教室を軸とした多文化共生拠点構築事業」により実施しています。

次回は9/24(日)午前を予定しています。
大崎町での日本語教室に関心がある方や日本語を学びたい方はいつでもご連絡ください。

山下直子先生
今回は、前回の反省を活かし、2つのことを意識して進めた。
1つ目は、サポーターの方の活用方法で、どのように学習者と関わってもらうかが前回の課題であった。そこで、今回は学習スタイルを一斉授業の形式に変えて、一つのCandoをもって進めた。メインサポーターは自分が勤め、他のサポーターの方には口頭練習や意味の確認の時に中に入ってもらった。文法の説明や分かりにくいところは、メインサポーターが引き取り、みんなで一緒に考え、分かる人が答えて共有することで、学習者とサポーターとの一体感も見られたように思う。
このようなスタイルにすることで、サポーターの不安感や負担感が前回よりも軽減され、役割も明確になった。今回の大きな収穫であった。次回以降も同様に実施し、方向性を決めていきたいと思う。
2つ目は、学習者のニーズを取り込みながら、試験対策に偏らない形で授業を展開したことである。試験対策になってしまうと、結局何ができるようになったのかが不明瞭になってしまう。特にマーク式の試験であるため、試験対策で終わらない形で学びを深める必要があると考え、Candoベースで考え、耳でたくさんインプットし、試験で必要な文法知識も取り入れ、アウトプットにつなげていくよう意識した。結局、日本語に〇〇レベルというのはないことに改めて気付くことができ、必要なことはどんどん取り入れていき、必要なものを学習者自身が学び取っていく必要がある。今回はN5,N4を受けたいと考えている学習者だったが、試験レベルに関係なく、大切なポイントを一人一人が理解し、メモしていた。もう少し観察する必要はあるが、今回の試みは学びに効果的な方法だったように思う。
また、ネット上の音声が使えないというアクシデントはあったものの、サポーターの方に手伝ってもらい、生の声を音声代わりに使ったのも、学習者にとっては、リアルでよかった。鹿児島弁も入り、きっと学習者には馴染みの日本語だったかもしれないと思うと、時にはこういうリアルな仕掛けも大切だと感じる。

学習支援の田中さん(法経社会学科地域社会コース)
今回は直子先生の一斉授業という今までと違う新しいスタイルでの日本語教室だった。
主な内容は動詞の活用で、日本語が母国語であるサポーター側も真剣に説明を聞いていた。サポーター側も母国語話者として日本語を話し使うことができていても説明が難しいことをここ数回の日本語教室で強く実感する中、今回の授業はサポーターも学習者も共に日本語を学ぶ機会になったと思う。1時間30分という限られた時間の使い方を毎度考えさせられるが、どの形態でも笑顔が絶えず楽しみながら学んでいるように見える。
今回のみ時間帯が変動し、(毎度のことではあるが)どのくらい人が来るだろうと少し不安だったが、前回見かけた学習者達が継続して足を運び続けてくれていることに嬉しさを感じる。
学習者それぞれのニーズがあり、サポーターも其々思い考えることがある中、引き続き「どうしたらいいだろうか」を話し合いながら大崎町での日本語教室をつくりあげていきたい。

ボランティアの渡邉さん(人文学科多元地域文化コース)
日本語を話せても細かい文法や教え方までは知らなかったので、一斉授業の形は「文法ちゃんと教えられるかな」という不安解消になるとともに私も勉強になりました。私が今回練習や意味の確認の際に担当した学習者は英語がわかる方だったので、時々英語を交えながら確認し、学習者の理解をちゃんと感じることができました。今回学んだ例文の中に「日本語はどうですか?」という質問文があり、私が学習者に聞くと「面白いです」と答えてくれました。「むずかしい」と答えると思っていたので意外で、新たな言語を身につけることを楽しく感じているのかなと思いました。また、文法活用の練習の際も間違いを恐れることなく発言しているのを見て、私もこの積極性を見習わないといけないと思いました。