P・G・クレッシー著『タクシーダンス・ホール』を翻訳出版

教員:
2017.12.1

法経社会学科地域社会コースの桑原司教授(社会的コミュニケーション論)が、『タクシーダンス・ホール』(P・G・クレッシー著、桑原司ほか訳、ハーベスト社、2017年10月)を出版しました。
この本は、アメリカにおいて1920年代から30年代にかけてその最盛期を迎えた「タクシーダンス・ホール」という、非会員制の男性客のみを対象とする営利目的の娯楽施設の実態と問題性を、参与観察という手法を用いて実証的に解明しようとした「シカゴ・モノグラフ」の一冊です。

「シカゴ・モノグラフ」とは、1920年代から30年代に黄金期を迎えた「社会学のシカゴ学派」(なかでもシカゴ大学大学院の社会学専攻の大学院生たち)が当時のシカゴ市が抱える種々の社会問題を実証的に探究した学位論文をベースとするもので、シカゴ大学出版会からシリーズもの(叢書)として出版されたものです。そのなかでもクレッシーの手になる本書は、社会学史上初めて本格的な参与観察が用いられた古典的存在として有名です。