READ, ACT, CONNECT!

教員:
2025.12.24

2025年12月7日(日)15時30分から約3時間にわたり、鹿児島大学社会学ゼミと北海道大学の学生・留学生による国際交流イベント Read, Act, Connect!(略してRAC)を開催しました。

本イベントには、社会学を学ぶ鹿児島大学のゼミ生14人が参加し、そのうちの9人は北海道大学会場(オープンイノベーションハブ1階エンレイソウ)、5人は鹿児島大学会場(法文棟1階ラーニングコモンズ)からリモート参加しました。両会場はZoomで接続し、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で実施しました。

本イベントは、北海道大学 高等教育推進機構 国際教育研究部 専任講師・肖蘭先生が担当する授業Experiencing Japan: Culture Shock and Societyとの共同開催で、ティーチングアシスタントの酒井泰人さん(北海道大学大学院 農学院 修士1年)の協力のもと実現しました。また、垣内翔太氏(株式会社きのこ代表取締役)、津田康介氏(株式会社鶴結び)、そして内田圭氏(合同会社Konnect代表)からも、準備段階から当日まで手厚い支援をいただきました。

この国際交流イベント名はRACです。RACはRead(読む)・Act(演じる)・Connect(つながる)の3つのセッションで構成される国際交流イベント。Readセッションは、鹿児島大学のゼミ生による英語のビブリオバトル、Actセッションは、北海道大学の学生と留学生によるカルチャーショック劇、そしてConnectセッションは学生同士が国際的に雑談をするという活動でした。

Read Session:英語によるビブリオバトル

最初のReadでセッションでは、鹿児島大学で社会学を学ぶゼミ生による英語ビブリオバトルが行われました。
3年生は卒業論文に関連する書籍を選び、2年生は自分の関心に基づいた書籍を選択しました。1分間という制限時間の中で、書籍の魅力を英語で伝えるプレゼンテーションに挑戦しました。

このビブリオバトルに向けて、ゼミ生は何度も原稿を書き直し、社会人の方々からも助言を受けながら準備を重ねました。

2年前の国際交流イベント(2023年度の「国際交流イベントPOTATO SALAD BOWLを開催!!」)で課題となっていたリモート参加者の置き去り感を克服するため、今回は、対面参加組とリモート参加組のゼミ生らによる共同司会を実現させました。この工夫により、リモート組のゼミ生も積極的に参加できました。

ビブリオバトルは勝ち抜き戦形式で行われ、LINE投票の結果、3年生は福田悠翔さん、2年生は森川愛さんが優勝しました。

Act Session:カルチャーショック劇

続くActセッションでは、北海道大学の学生と留学生が5チームに分かれ、日本社会で感じたカルチャーショックをテーマに演劇を上演しました。来日当初、留学生にとって違和感のあった日本社会の「当たり前」が題材とされ、それぞれの経験が劇として表現されました。

このセッションは対面での演技が中心となったため、リモート参加者が不利になりやすい側面もありました。そうした状況の中で、2024年度ゼミ長の野崎一樹さん、2023年度ゼミ長の濱根輝希さんが飛び入りで鹿児島大学会場に参加し、リモート組のゼミ生や留学生との交流を自然に支えてくれました。
世代を越えたゼミ生同士のつながりが、場の一体感を高める重要な役割を果たしました。

終了後、参加者全員がLINE投票によって最も印象に残ったチームの劇を選びました。

Connect Session:国境を越えた交流

イベントの締めくくりとして行われたのが、Connectセッションでした。本セッションでは教員は関与せず、学生と留学生のみが主体となり、国境や立場を越えた交流の場が自然発生的に生まれました。北海道大学の会場では居酒屋での食事会が行われ、よりカジュアルで率直なコミュニケーションが交わされました。鹿児島大学の会場でも、一部のゼミ生と留学生が集まり、ざっくばらんな雰囲気の中で交流を深めました。

こうした経験を通して、吉満晴哉さん(2年)は「英語で話していると普段の自分とはまた違う自分を見つけることができました。自分の母国語ではない言語を話す時はまた違った自分が現れるのではないでしょうか」と振り返っています。

また、留学生らが演じた日本社会でのカルチャーショック劇は、社会学の卒業論文において当たり前を問い直す視点として、ゼミ生に大きな刺激になったようです。

たとえば、竹花凜さん(2年)は「日常の違和感や驚きを大切にし、そこに問いを見出すことが卒論テーマ設定の第一歩だと感じました。・・・身近な現象を学問的視点で捉え直す重要性に気づいた」と語っています。さらに、森心葉さん(3年)も「違いに目を向けることで、自分たちが依拠している前提を問い直せると感じました」と述べています。

このイベントは、以下の役割分担のもと、ゼミ生一人ひとりが主体的に運営しました。