『シンボルから読み解くカナダ ― メープル・シロップから『赤毛のアン』まで』を出版
人文学科多元地域文化コースの細川道久教授(西洋史、カナダ史、イギリス帝国史)が、翻訳書『シンボルから読み解くカナダ――メープル・シロップから『赤毛のアン』まで』(明石書店、2022年12月)を出版しました。
本書は、カナダを代表するシンボルを切り口として、カナダ社会の過去と現在をトータルに描いた、きわめてユニークな歴史社会文化論の書です。
カエデの葉をあしらった国旗、「国技」としてのラクロスとアイスホッケー、トーテムポールやカヌー、カナダ土産の定番(?)のメープル・シロップ、アメリカ合衆国との国境に位置するナイアガラの滝、日本に読者が多い『赤毛のアン』、騎馬警官や平和維持活動、カナダ人が会話でよく使う「エー?」という表現など、全部で22のシンボルが登場します。
これらのシンボルが、どのようにしてつくられ、その表象・意味は時代とともにどのように変化してきたのか。シンボルから想起されるカナダ社会のイメージは、現実の社会とどのように異なっているのか。シンボルそれぞれの起源や変容、社会の実像と虚像について、総勢20名の歴史家が、数々のエピソードで興味をひきつけながら、鋭い洞察力で分析しています。
本書は、多民族社会カナダの過去と現在を知りたい読者はもちろんのこと、シンボル・表象・ポピュラー・カルチャーや社会文化史に関心のある読者にも向けて編まれています。約200点の図版も収録されていて、視覚的にも読みやすい工夫がなされています。