鹿児島情報高校で出前授業を実施しました
2021年11月10日と12月8日の2回にわたって、鹿児島情報高校プレップ科で出前授業を実施しました。
1回目の授業では、「描かれた外来者―絵画から読み取る都市の国際性―」と題する講義を行い、15世紀末のヴェネツィアの風景を描いた絵画の中から外来者の姿を探してもらったうえで、都市社会における異文化・異教徒との非対称な「共生」のかたちについて考えました。
その後、2回目の授業までに、「現代社会の抱える課題とその解決方法」について、グループで5分間のプレゼンテーションを実施し、その様子を撮影した動画を各自で視聴して、他のグループの発表について評価を行ってもらいました。
2回目の授業は「異文化理解・異文化共生を実現するためには―現代社会の課題とその解決方法を考える―」として、グループでのプレゼンテーションの内容をさらに発展させて、異文化理解・異文化共生について学びました。各グループで考えたゴミ出しルールや食文化といった身近な課題や、宗教対立や人種差別のような大きな課題、さらにはその具体例としてフランスやヨーロッパにおけるスカーフ禁止問題をとりあげ、グループワークをまじえながら、複数の視点から考察しました。
授業内容には難しい部分もあったと思いますが、生徒のみなさんは真剣に耳を傾け、よく考えてくれました。人文学的な視点や知見を活かしながら、容易には解決できない複雑な現代社会の諸問題について、さまざまな角度から柔軟に取り組んでいく契機やヒントになればと思います。