法文FDオンラインワークショップ開催

2022年3月17日(木)の午後1時から3時まで、法文学部FD委員会主催で、FDワークショップを開催しました。テーマは「教員と学生の対話を通じて考える授業改善」でした。教員13人、学生9人、合計22人が参加しました。

開催目的は(1)教員が授業で行っている工夫について、他の教員や学生と共有すること、(2)学生の受講体験と授業への要望を把握すること、(3)教員と学生が対話し授業改善について考えること、(4)教員と学生の相互理解の場を醸成することでした。

冒頭で松田学部長から開催のご挨拶をいただいた後、FD委員の石塚先生が司会進行を務め、ワークショップが始まりました。

まず前半では、2020年度にエクセレントレクチャラーとして選ばれた教員6人(法学コースの上原先生、地域社会コースの酒井先生、経済コースの日野先生、多元地域文化コースのCother先生、心理学コースの大薗先生、榊原先生)が各自の授業での取り組みを報告しました。報告の要点を一部紹介すると・・・。

  • 受講生からの質問にすべて回答しながら“集合知”を作っている

  • 法学の質問には冒頭で答え、学生生活の質問には“コーヒーブレイクで回答”している

  • 受講生が発言しやすいように“心理的安全性”を提供している

  • 教員の方から率先して“失敗を許容するような雰囲気”を作っている

  • 経済学の専門知識を教えるだけでなく“知識の使い方”も伝授する

  • 受講生が話しやすいよう教員の側が“オープンな態度”で臨んでいる

  • Zoomによる“リアルタイムとオンデマンドのどちらでも選択”できるようにしている

  • “匿名でのチャット書き込み”を許可して授業に参加してもらう

  • “お悩みコーナー”を設けている

  • 授業を受けながら“心理現象を体験”してもらう


ワークショップの後半では、Zoomのブレイクアウトセッション機能を用いて4つのグループに分かれ、教員と学生が同じグループで話し合いました。①授業の課題点の可視化と共有、②授業改善に向けてできること、の2点について話し合いました。各グループでは、学生がリーダーシップをとって議論を進めました。その後、参加者全員で話し合った内容を共有しました。その内容はこちらをクリック。

最後にFD委員長の酒井先生は「大変素晴らしい取り組みだった。この場で終わりではなく、教員と学生が対話する機会を継続してつくっていきたい」と述べられました。

参加した教員並びに学生からは以下のようなコメントを頂きました(一部抜粋)。

授業をより良いものにしたいという先生方の熱意が感じられる機会となりました。また、学生という立場を気にすることなく、先生方と授業に関して思うことを話せました。加えて、エクセレントレクチャラーの先生方の授業での取り組みから学ぶことが多いので、ゼミ運営やミーティングの主催等で活かしたいです。今後も開催して頂きたいと思います。

エクセレントレクチャラーの先生方の創意工夫が分かり大変参考になりました。また、学生との意見交換の中で、課題レポートに対するフィードバックの重要性を改めて感じました。特に入学以来対面授業の少ない現2年生にとっては、教員とのつながりを感じられる貴重な時間となっているようです。毎週全てのレポートに目を通すのは大変ですが、学生の生の声が聞けてモチベーションアップに繋がりました。

授業に対する先生方の工夫が多種多様であり、学生へのアプローチを様々な手法で行なっているのだと再認識できました。授業に対する課題点と改善案について先生方と対等な立場で話し合うことができ、通常であれば知ることができない先生方の率直な意見に触れることができました。また、普段は伝えられないような学生目線の意見もフランクに伝えることができたため、大変有意義な時間となりました。

コロナ禍での授業方法に悩んでおり、 本やオンライン講座では授業法について勉強していました。今回のワークショップは、法文学部のエクセレント・ティーチャーズが実践例や学生さんからの反応まで、手の内を全て明かして下さり、それは何よりも実際的で貴重で、興奮しました。また、グループセッションで学生さんから授業方法に関する質問を受け、「自分は講義で何を伝え、身につけてほしいのか」を改めて考える機会にもなりました。

zoomやオンデマンドといったこれまでになかった授業形態のなかでも、先生方が各々の工夫によってよりよい授業をしてくださっているということがよく分かりました。先生方とこのように授業について直接対話をする機会がなかったため、自分自身の授業への向き合い方を見直す契機にもなりました。教育効果の高い授業の実現のためにも、このような議論の場を増やし、さまざまな視点からの意見を取り入れることが必要だと感じました。