令和3年度前期の授業実施方針について

令和3年3月11日

法文学部学生・保護者の皆様

法文学部長

令和3年度前期の授業実施方針について

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、令和2年度は、法文学部における大半の授業が遠隔方式(オンライン配信、オンデマンド配信、課題提出型)で実施されました。これは文部科学省のガイドラインを受けて鹿児島大学が定めた授業実施の基準に基づき、学部として判断した結果です。法文学部の授業は学問的特性から大人数の講義が多く、学生間の距離の確保や教室の収容人数の制限などの問題から、2回のスクーリング期間を除き、遠隔方式での実施を余儀なくされました。
 このたび、「法文学部は対面授業を控えすぎであり、通常の教育活動を求めます」とのご要望をいただきました。遠隔授業の実施により、学生および保護者の皆様にご負担とご不便をおかけしたことは事実であり、学部として反省し、改善すべきこともあると考えております。
 しかしながら、文部科学省ならびに鹿児島大学が定めた基準に従わずに、通常どおりの教育活動、およびそれに付随する学生の諸活動を制限なく実施することは困難です(他学部の対面授業も、こうした方針に従って実施されております)。通常の教育活動を行った場合、大学のように多くの人が集まる場では、大きなクラスター感染を生み出すおそれがあります。新型コロナウイルスの感染者は無症状または軽症である場合も多く、これらの感染者が地域や家庭でウイルスを拡散させれば、人命に関わる大きな問題となります。また、若い学生であっても、基礎疾患を有し、重症化するおそれのある学生もいることが考えられます。多くの若い学生を預かる大学は、学生のみならず、保護者の皆様、教職員、そして地域の皆様の健康と安全を確保する社会的責任を負っております。
 今年度の遠隔授業の実施にあたっては、教員は対面授業と変わらない教育の質を維持するため、様々な工夫を行うとともに、学部として遠隔授業(および対面授業)の実施に必要な機器の整備や教室等の施設の改善を図ってまいりました。その結果、学生アンケートでは7割以上の学生が遠隔授業について「満足」と答えています。
 しかし、こうした状況が今後とも学生にとって望ましい教育環境というわけではありません。法文学部では、全学の授業方針や対面授業の基準の見直しを受け、令和3年度は大幅な対面授業の拡大を図ります。使用可能な大教室を最大限活用するとともに、アクリル板の設置や消毒・換気の徹底などの感染防止対策を講じた上で、実習・演習や1年生が受講する講義、ならびに少人数の授業を原則的に対面方式で実施します。これにより、およそ7割の授業が対面形式となります。一方、大人数の講義については、遠隔授業のメリットを活かし、基本的に遠隔方式で実施しますが、地域の感染状況などが改善されれば、さらなる対面授業の拡大も検討いたします。
 学生、保護者の皆様には、こうした令和3年度前期の授業実施方針をご理解いただき、引き続き、法文学部の教育研究活動にご協力くださいますようお願い申し上げます。