心理学コース富原ゼミの中村玄起さん、坂田優陽さん、橋本泰生さんが九州心理学会で若手研究奨励賞を受賞しました

在校生
2022.12.26

11月26日に開催された九州心理学会第83回大会の研究発表会において、富原ゼミ所属の中村玄起さん、坂田優陽さん、橋本泰生さんの研究発表「困難状況にある他個体の視覚情報はマウスの救護行動誘発を促進する」が同学会の若手研究奨励賞に選ばれました。この賞は、大会において大学院生及び学部学生が行った発表のうち、独創性、表現力、論理性、社会的貢献度を考慮して、特に優れた発表に対して贈られるものです。

受賞者の声

中村さん
今回このような賞を受賞でき大変うれしく思います。この研究を発表するにあたって3か月ほど実験や研究をやってきた中で、非常に多くのものを得ることができたと感じています。実験やその準備、原稿作成を行っていく中で、なぜこの行為を行うのか、なぜこれを記述するのかなどの意味を改めて理解することができ、卒業論文に生きる学びを得ることができました。また論文では実験で何を得られたのか、そこからどう考えることができ、次にどう生かすことができるのかを考えていく必要がありますが、学会発表に向けての準備の中で特に原稿やポスターを作っていく中でそういったことに求められる情報を正しく整理する力や考察を深めていく力というものが正しく身についたと感じました。この経験は自分自身にとって大変貴重なものであり、改めてゼミ担当の富原先生や一緒に実験をした友人に感謝したいです。

坂田さん
私たちが誰かを助けようとするとき、そこには様々な理由が考えられます。大変そうだったから、自分がいい人だと思われたいから、或いはただそうするべきだと思ったからということも考えられます。
ではマウスはどうでしょうか。先行研究では仲間が危機的状況にある時、マウスは助けようとする行動を見せています。ですがその動機は果たして人間と同じと考えていいのでしょうか?彼らにも他者を思いやる気持ち、即ち共感性は存在するのでしょうか?ーというようなことをテーマに今回の研究を行いました。なにぶんマウスでの実験はおろか、マウスに触れる事すらほとんど初めての経験でしたので戸惑うことも多くありましたが、ともに研究を行った友人、なにより指導していただいた富原先生の力もあり、今回若手研究奨励賞という名誉ある賞をいただけたこと、大変嬉しく思います。今回の成果を通して、意外と身近なマウスの魅力、そしてこのゼミの魅力を少しでも伝えることが出来たなら幸いです。

橋本さん
数ある研究の中から私達のものが選ばれてとても光栄でした。富原先生、ご指導いただきありがとうございました。「心理学領域における動物実験」とは何をするのか、心理学を専攻していない方々にとってはピンとこないかもしれませんが、一般的に行われる、人を対象とした実験とはまた違ったとても意義のある実験です。私達は、本研究のようなマウスを実験の対象とした研究を中心に行う富原一哉先生のゼミに所属しており、私は今後、マウスにおける救援行動についてより詳しく研究を進める予定です。
これは私が大学生になって初めての研究で、被験体のマウスの扱いや条件の設定など、とにかくわからないことだらけでした。しかし、他の研究と大きく違うのは「被験体の命がかかっている」というところで、彼らのことを尊重することを忘れずに、必ず今後に活かせる結果を残せるよう尽力しました。
有意義な研究として評価していただいたこと、大変嬉しく思います。しかし、まだまだ反省するべき点が多く残るため、慢心することなく今後に活かしていきたいと思います。

参考(リンク)