大崎町にて企画展示「茶いっぺくいやい」を開催

教員:
2022.9.22

酒井ゼミの学生が8月6日(土)に大崎町で企画展「茶いっぺくいやい」を開催しました。
(当ゼミは公益財団法人マツダ財団から助成を受けて昨年度から「住民参加型による外国人技能実習生の地域包摂に関する調査研究~鹿児島県大崎町を事例に~」と題したプロジェクトに取り組んでおり、その一環の取り組みとなります。)
本企画では、学生主導のもと、これまで大崎町で行ってきたインタビューやまちあるきの実践をまとめ、地図やポスターで展示しました。当日は、FMおおさきにもお邪魔し、活動内容や学生からみた大崎町の魅力についてラジオで語りました。


企画展に取り組んだ学生の感想は以下の通りです。

学生A
今回の企画展示全体を通して、個人的な反省点は多くあるものの、限られた時間の中で企画の意義を考え、フィールドワークを行い、準備し、実際にイベントを行うことができたことに満足しています。私は前期のゼミ活動を通して、昨年あまり声を聞くことのできなかった住民の方々と関わりを持ち、考えや思いを少しでも知りたいと思っていました。昨年からお世話になっている役場の方々や衛生自治会副会長萩原洋一さんの口から何度も、住民の方の理解があってこそ成り立っているというお話を聞いてきたにもかかわらず、私は実際の住民像が全く見えていませんでした。
そのため、今回の企画展示全体を通し、世間話・インタビューに関わらず住民の方々の考えや思いに触れる機会が少しでも持てたことが良かったと感じています。
役場関係者の方やインタビューをさせて頂いた方以外に足を運んでもらうことは、やはり難しく残念でした。ただ、他のグループが関わった方々ともお話をすることができ、より多くの人の思いや考えに触れる機会になりましたし、ビラ配りの際に会場に来てもらうことは叶いませんでしたが、私たちの取り組みについて少し話をして大崎町の話をお聞きすることができました。役場の人以外にも私たちのこと・活動に興味を持って頂いたこと、発信して頂いたことは確実に次に繋がると思っています。
まだまだ浅く限定的な関係性ではありますが、今後も大崎町で活動させて頂く中で関係性を深めていきたいです。

学生B
今回のような形で展示をしたことが今までなかったので、最初は不安でした。ですが、来てくださった方々みんなが、賞賛の声をかけてくださったため、非常に嬉しかったです。また、役所の人やFMおおさきを運営している方とお話をしていくうちに、いろいろな思いを感じ取ることができました。個人的には、ラジオが好きなので、実際にラジオに出演させていただり、どういった経緯でラジオを始められたのか話を聞いたりするのが楽しかったです。
今回、私がこの企画を通じて学んだことは、「会話は楽しい!」ということです。自分の今までの境遇と全然違う人や、世代が異なる人と話していると、多くの事に興味が惹かれどんどん話が盛り上がっていきました。生涯学習や社会教育の講義でよく取り上げられる「対話の重要性」というのを身に染みて実感しました。
今回の展示に向けて、散策やインタビュー、準備など多くの経験を積むことができたため、参加してよかったです。

学生C
今回の展示企画では大きく2つ感じられたことがありました。1つは同期や自分自身の成長を間近で感じられたこと、2つ目は大崎町の人々が温かく、学生の活動を心から応援してくださっていることです。
昨年は先輩方がいる中での活動であったため、自分自身がきちんと企画実施にむけて貢献し、向き合えていたかがわからないことがありました。そのため今年の企画で、個人的な目標として「うごく!やってみる!」を掲げ、取り組んでみた結果、視野が広くなり、新しい学びや技術の取得、そして成長を感じられました。もともと同期の凄さはわかっていましたが、それぞれが自分で考え行動し、アイデアを出し合う際も否定しない議論がされていたと思います。しっかりと講義で学んだこと、読んだ文献のことを実践して身につけ、自分のものにしていることを目の当たりにしました。制作の過程において刺激をたくさん受けました。改めて支え合い補い合うことのできる仲間に感謝したいです。ありがとう
また企画展示において欠かせなかった大崎町の方々の温かさは、私たち学生(主に私ですが笑)の「インタビューを引き受けてもらえなかったら」「失敗したら」「人が来なかったら」といった不安を吹き飛ばしてもらったような気がしました。話しかける際、緊張したものの笑顔で対応していただいたり、興味や関心を持ってもらえたりと、自信がつくきっかけにもなりました。「話しかけてよかった」「インタビューしてよかった」と感じられました。なかでも雑貨屋さんのインタビューでは、夫婦の生き様や考えに感銘を受け、お店がオープンしたら足を運び、お話を聞きたいと思いました。また展示会実施の準備において中野企画調整課長をはじめ、多くの方々の御協力あっての企画展示でした。真剣に向き合っていただけるからこそ、私も全力で取り組むことができました。大崎町の魅力を活動の中で発見し、それをたくさんの方々に共有できたのかなとおもいます。
これからの活動で「うごく!やってみる!」を引き続き目標にし、さまざまな経験を積み、学び続けていきたいと思います。がんばるぞ。

学生D
今回の活動では、嬉しかったことがいくつかあります。一つ目は、大崎町役場の方々に多く来ていただいたことです。展示を見に来ていらっしゃる方や先生・先輩方の話を聞いていると役場関係者がとても多かったように感じました。それほど今回の展示会への期待が大きかったのだと思いました。おおむね高評価をいただいていたような気がしますが、改善点やアドバイスなどがあればぜひ伺いたいと思いました。また、高校生も一緒に来ている方がいらっしゃり、とても印象的でした。6日は小・中学生や高校生がほとんど来ていなかったので、これから一ヶ月間ある展示にはぜひたくさんの子どもたちに見にきてほしいと思いました。若い大崎町民にも大崎町の魅力を知ってほしいです。
二つ目は、おおさきMAPの存在感が展示会場内でとても大きかったように感じられたことです。微力ながらマップ作りに参加していたからというのも理由ですが、何よりも、地図の前で楽しそうにオススメのスポットについてお話ししてくださるお客さまがとても印象深かったからです。地図やカルタを見て新たな発見をしていただけたことも嬉しかったですが、「ここのこれが美味しい!」などとスマホで場所やメニューを調べつつ教えてくださる方が多く、私自身も大崎町や町民の魅力にたくさん気づくことができました。
今回の活動での反省点もいくつかあります。一つ目は、あまり積極的に来場者に話しかけられなかったことです。お話を聴きたいと思いつつ、緊張したり、展示を見ているじゃまをしないかと考えたりしてしまい、なかなか自分から話しかけることができませんでした。話しかけないとなにも始まらないのだと改めて感じられたので、次の機会では積極的にお話しを聴きにいきたいと思いました。
三つ目は、自分たちが訪れた大崎書店さんやそば辰さん、美容室ジュラーレさんなどに、展示会の詳細を伝えられていなかったことです。6月から7月にかけて行なった大崎町訪問の際に、8月6日に展示会を行なうという宣伝はしたものの、このときには場所や時間帯等がわからなかったため詳細を伝えられずにいました。もしお時間があればぜひ展示を見にきていただき、その場でまた色々なお話しをしたかったと思いました。
最後に、学生同士のフィードバックは後日実施しますが、大崎町の役場の方や町民の意見ももっと聞く機会があると、今後に繋がるかなと感じました。

学生E
まずは当日の展示企画についてです。今回の活動では、社会教育・生涯学習の根幹である「共同学習」について深く考えさせられました。これまで大学の講義で共同学習についての理論などを学んできました。しかし、実践において具体的にどんなことをすればいいか深く考えることはできておらず、頭でっかちになっていました。そして、来場者との対話や双方向のやり取りを通じたマップ作成を体験し、こういう場が相互学習なのだと実感しました。「教えなければ」ー「学ばなければ」ではなく、「伝えたい」ー「知りたい」という思いによって対等な関係性が構築されて、学び合う場ができていました。事前準備において、展示って学びにどう位置づくのだろう(位置付けなければ)と思っていました。ですが、特別なことをしていないにもかかわらず、対話によっておおさきMAPという成果物を完成させることができ、立派な学びの場をつくることができたと思いました。ゆとりを持たせることの重要性、学びの多様性についても実感できた活動でした。
次に、事前準備についてです。今回は、カルタ、風船、短冊、展示企画なのに未完成のMAP、感想を共有する場など、ゼミ生の素晴らしいアイディアがふんだんに使われた素晴らしい取組だったと思いました。だからこそ、前期の合同ゼミで、みんなの考えを存分に出せる環境をつくれたのか反省すべきだと思いました。発言者が偏っていたこと、発言者が偏ったとき、他の人への無茶振りにおいて問いかけが「どう思う?」など雑になっていたことを反省しました。特に、3年生が発言すること多く、2年生の考えを引き出すことができませんでした。ただし、2年生も発言すべきだ、発言することがいいことだという訳ではなく、2年生が発言するゆとりをもたせることが重要なのだと思います。そのため、2年生に任せる部分を増やしたり、2年生だけで活動する機会を設けたりしようと思いました。
続いて、インタビューについてです。今回、途中で新聞記者さんが訪れてインタビューを受けたのですが、展示も見ないで企画趣旨やゼミの概要、これまでの取組など、HP・Instagram・広報に載っていることばかり質問されました。正直いって良い気分ではなかったのですが、僕もお店に訪れた際、下調べが不十分で、お店の隅々を見ずにインタビューをしていたので、大変失礼だったと反省しました。そして、今後インタビュー調査をする際は、事前に相手のことをしっかり調べ、その場をゆっくり観察するゆとりをもってインタビューしようと思いました。
さらに、今後の展望です。マルおおさきに展示は残してもらえるそうなので、そのことを伝える広報をつくりたいと思いました。特に、本日は生徒さんが来場していなかったので、管理課にお願いするなど、学校への広報ができたらいいなと思っています。個人的には酒井ゼミのInstagram・FacebookアカウントのQRコードも追加で展示して、酒井ゼミの活動を知ってもらい、大崎町の子どもたちに大学ではこんな学びもあるんだ、学びってこんなに自由なんだと感じてもらいたいです。
最後に、後輩への思いについてです。多くの方々に協力していただけたり、注目していただけるのは、これまでの先生や先輩方の取組や築いてくださった関係性によるものです。そして、僕たちもその一員なので、今やっている活動は絶対誰かの役に立つ、社会が良くなっていくきっかけになるという思いで、今後の活動も積極的に取り組んでいこうと思います。


企画については2022年8月18日の南日本新聞朝刊でも取り上げていただきました。

本企画展は、大崎町役場の皆さま及び大崎町の特定非営利活動法人大崎ものづくりネットワーク振興会鹿児島大学大崎活性化センターの皆さまからご協力頂いて実施できました。心より御礼申し上げます。