考古学ゼミが指宿市山川鰻窯跡を発掘調査

2020.3.16
鰻窯跡
発掘調査

 法文学部人文学科多元地域文化コースの考古学ゼミ(渡辺芳郎教授・石田智子准教授)は、地域連携事業「南九州・南西諸島を舞台とした地域中核人材育成を目指す新人文社会系教育プログラムの構築」の一環で、指宿市山川鰻集落に所在する鰻窯跡の調査に取り組んでいます。この窯跡は古くより知られていましたが、その実態が明らかではなかったため、指宿市教育委員会と連携して、2015年度より分布・測量調査、発掘調査を実施しており、今年度は2月27日から3月3日まで、4回目の発掘調査を行いました。

 鰻窯跡は、明治時代の終わり頃、苗代川(現在の日置市美山)から来た陶工夫婦が開窯したと伝えられる連房式登窯(れんぼうしきのぼりがま)です。今回の発掘調査では、本窯跡の第1焼成室と窯体周辺2ヶ所、計3ヶ所のトレンチ(試掘坑)を設定し、窯の構造や立地状況を調べました。

 参加したゼミの学生たちは、みずからの手で遺跡を発掘することで、文化財の具体的な姿、そしてそれを記録化することの重要性を肌身で知る機会を得たと思います。この経験が、地域に眠る文化財の発見、再認識、活用へとつながることを期待します。
 調査の実施にあたってご協力いただいた皆さまに厚くお礼申し上げます。

発掘調査2
土層断面図の作成
夜のミーティング
集合写真